内部統制支援

 内部統制のメリットとは何でしょうか。内部統制は、中堅・中小企業にとっても決して無縁のものではありません。会社規模の大小にかかわらず、健全な事業経営を行っていくためには極めて重要なことです。

1.信用力・ブランド力の向上
 最近では上場している親会社から同レベルの内部統制を求められる例が増加しています。また内部統制体制が不十分のため、上場企業との取引において機会の損失となることもあります。
 しっかりと内部統制を構築して健全な事業運営をすることで、中堅・中小企業の経営者のみなさまが考えている以上に、信用力・ブランド力は向上します。上場企業などとの取引がスムーズに進むようになり、融資先・投資先からの資金調達がしやすくなるのです。

2.業務効率化の促進
  旧態依然とした体制に疑問を感じながら、改革・改善に踏み切れずにいないでしょうか。上場に向けてどう動けばいいのか、本当に理解されていますか。
 内部統制の構築により、企業全体の「可視化」「標準化」が図られ、ミスの防止により業務効率が上がります。コーポレートガバナンスが強化されるため、会社の機関が適正に機能するようになるだけでなく、意思決定が迅速になり、今後の健全な事業運営の推進力となるはずです。

3.コンプライアンスの強化
 貴社のコンプライアンスは万全でしょうか。「うちは大丈夫」とお考えではないでしょうか。
 法律違反や不祥事が明らかになれば、企業の信頼は一夜にして失墜します。コンプライアンスを強化して充実した内部統制の構築を行うことで、社内の不正の温床が断たれ、訴訟リスクが低減します。イメージダウンを防止でき、健全な事業運営が実現するのです。
4.リスクマネジメントの基礎固め
 会社の内外に潜むリスクに気付いておられますか。多様化・深刻化するリスクへの対策はできているでしょうか。
 中堅・中小企業もリスクマネジメントに取り組む時期が来ています。内部統制を構築すればリスクを洗い出すことができ、リスクマネジメントの基礎を固めることができます。ビジネスリスク、危機管理リスクなどを追加し、リスクマネジメントプログラムを作成することで、全社的なリスクマネジメント(ERM)を完成させましょう。

内部(業務)監査

(社)日本内部監査協会は内部監査の定義を次のように規定しています。
 「内部監査とは、ある組織体の運営に価値を付加し、また改善するために行われる、独立の、客観的保証およびコンサルティング活動である。」

1.内部監査の目的
 経営陣は企業価値を高めるために様々な戦略や計画を立案し、実行しています。そして、実行の結果を随時見直して軌道修正を行っています(PDCAの管理サイクル)。
 銀行の最大の関心事は融資資金が確実に回収されるかどうかです。そのため銀行は、融資先の事業内容について、後述する事業計画書、経営者へのインタビュー、実地調査等により徹底的な融資審査を行い、融資判断を行います。
 その際、金融機関が重要視する項目の一つは、言うまでもなく財務内容です。毎期安定した収益を確保しているか、借入過多ではないか、実質債務超過に陥ってないか等あらゆる角度から融資判断を行います。

2.独立性の確保
 内部監査において留意すべき点は、現業部門からの独立性です。内部監査の対象業務はあらゆる経営活動、業務活動なので、内部監査部門はすべての監査対象部門と完全に一線を画したものであることが必要です。もしそうでなければ客観的な監査を行えなくなる場合があります。この組織的独立性を確保するためには、企業の最高経営責任者や取締役会に直結することが基本となります。

3.内部監査の機能  内部監査には次の2つの機能があります。
1)保証機能
 保証機能とは、内部監査の実施を通じて企業の組織およびその業務の準拠性、効率性、有効性を保証する機能です。
 経営陣は内部監査の実施結果として、内部監査人から企業の組織およびその業務の準拠性、効率性、有効性について保証されることで、業務全般が適切に行われていることの判断材料とすることができます。
2)コンサルティング機能
 コンサルティング機能とは、内部監査を通じて、企業の経営陣に対して経営の目的達成に役立つ有益な情報を提供する機能です。リスク・マネジメントや内部統制、コーポレートガバナンスの効果を評価、保証するだけでなく、それらを改善し、より強化することにより「経営に役立つ監査」も期待されています。

4.内部監査の業務範囲
 内部監査は会社のすべての事業活動が対象になります。決して"例外"や"聖域"を設けてはなりません。それは国内外の連結子会社や関連会社だけでなく、外部委託先も同様です。
 "例外"や"聖域"を作ると、監査を受ける部門と受けない部門が出てきてしまい、公平性が失われてしまいます。また、そこには内部監査の目が行き届かないため、経営陣の意図と異なる業務を行い、企業に損害を与えたり、不正が発覚し、企業不祥事となり取り返しのつかない事態に陥る可能性も出てきます。

内部統制と内部監査の関係

 J‐SOXの枠組みにおいて、内部統制は6つの基本的要素(※)で構成され、内部監査は内部統制の"モニタリング"機能の主要な部分を担っています。内部監査によって、内部統制の整備及び運用状況を検討、評価し、必要に応じてその改善を促します。つまり、内部監査の実施によって内部統制が完結するのです。
 (注) 1.統制環境境 2.リスクの評価と対応 3.統制活動 4.情報と伝達 5.モニタリング 6.ITへの対応

1.「ありのまま」を書く
 事業計画書を作成する上で、最も重要なことは企業の「ありのまま」を書くことです。当たり前のことのようですが、資金調達を焦るあまり場当たり的かつバラ色の事業計画を作成してしまうことはよくあることです。
 しかし、銀行は保守的な事業計画書を好みます。また、後日作成した計画書が「絵に描いた餅」であることが露呈し、銀行の信用を失った企業が資金調達できるはずもないのは言うまでもありません。

2.わかりやすく客観的に
 事業計画書作成のもう一つのポイントは、銀行の担当者が、融資について稟議を上げる際、決裁者に説明しやすいものを作成することです。例えば、説明もなしに専門用語を並べ立てるような事業計画書は、一見見栄えは良いのですが、決裁者に不親切な印象を与えてしまいます。
 また、事業計画書は客観的である必要があります。この点、経営者だけで作成した場合、長年の経験に基づく経営判断の根拠を資料として表現することに慣れていないため、主観の部分が強くなってしまいがちです。例えば、社内で「事業計画策定プロジェクトチーム」をつくり社員の意見を取り入れることで、事業計画書の客観性は高まりますし、社員のモラルアップにも貢献します。

3.外部人材の活用
 内部監査人には、内部監査についてだけでなく企業の業務や会計、税務、労務、ITなど高度な専門性やノウハウが求められます。企業内部でこのような人材を集めて配置するのは難しいと思われます。中堅・中小企業では内部監査部門を設けようにも人材不足であり、即戦力を採用しようにもコスト面で難しいことが予想されます。 
 そこで、外部専門家を活用するということも一つの選択肢になります。外部専門家を活用することにより、企業としては専門性を補完することができ、また第三者による内部監査ということで客観性を確保することもできます。

4.おわりに
 企業の事故や不祥事を防止するということは上場企業に限らず、すべての企業に共通することです。そのように考えますと、内部統制は上場企業や会社法上の大会社だけでなく非上場企業や大会社以外の企業にも必要なものであるといえます。そして内部統制が役割を果たすためには、そのチェック機能である内部監査が必要となってきます。
 さらに、内部監査は内部統制のモニタリングというだけでなく、経営に役立てるという意味でも必要不可欠なものであると言えます。そして、内部監査が有効に機能することによって、経営者の意思がより会社経営に反映され、企業価値が更に高まるのではないでしょうか。

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