専門家コラム


年次有給休暇のお悩み  15年12月25日

◆年次有給休暇に関する労使の見解は、かなり違うのでは!?
 私が社会保険労務士として業務を行っている中で年次有給休暇については、よく質問を受ける、そして相談のある分野だ。
 「退職の際に、年次有給休暇取得の申し出があれば、取得させなければならないのですか?」、「パートタイマーにも年次有給休暇は、必要ですか?必要なら、日数は正社員と同じですか?」、「忙しい時期に年次有給休暇を求めてくる従業員がいるのですが何とかなりませんか?」など、本当に多くのご相談を顧問先企業から受ける。

 会社側の本音としては、「労働基準法に定められた当然の権利なのだろうけれど、人を採用することが大変なこの時代に、業務に穴が空く年次有給休暇は、できれば取って欲しくない」というところではないだろうか。
 一方、働いている従業員からすると「年次有給休暇は、当然の権利なのだから、取得して当然!どうせ、1年経ったら時効で権利が消滅するから全部取らないと損だ」みたいな感じの人もそれなりにいるのかもしれない。興味深いのは、年次有給休暇というものが、労働者に与えられた当然の権利だということは、労使ともに共通認識だが、その見解はある意味、相反するのは興味深いところである。 

◆現実の問題として
 企業においては、特に中堅中小企業では、採用時に従業員の年次有給休暇取得日数を予測、勘案して採用人数や初任給を含む人件費を決定しているわけではない。
 従業員全員が、「当然の権利である」ところの年次有給休暇をすべて消化しきれる企業体力は、多くの会社において難しいだろう。おまけに来年4月には、労働基準法が改正され、年次有給休暇取得促進策として、会社は従業員1人あたり、年5日分の年次有給休暇を時季指定して従業員に与えなければならないこととなる模様だ。
 「これ(1人従業員あたり年5日の年次有給休暇を与える)だけで、うちの会社規模だと20人ほど余計に採用しないと、今までと同様の労働生産性が担保できません」と、あるお客様が話されたのは、私の耳に今でも残っている。私もそれほど、インパクトの大きい改正内容だと思う。

◆そうは、言うものの・・・
 さりとて今のご時勢、年次有給休暇を取得できないとなると、ブラック企業というレッテルを貼られかねないわけで、企業としては非常に悩ましい課題を抱えることとなる。
 日本生産性本部が行った平成26 年度新入社員「働くことの意識」調査によると、就職する会社を選ぶ理由に「福利厚生が充実しているから」との回答が、調査開始以来、初めて上位にランクされた。ここでいう福利厚生には広義において、休みが多い、休みが取りやすい会社というものも内包されていると思われる。また、上記調査においては最近の若者の傾向として「人並みに働けば十分」という"ほどほど志向"ということが明らかにされている。
 年次有給休暇を取得することなく、バリバリ働いて立身出世しようなどという若者は、もはや少数なのかもしれない。いや企業の現場を見ている私の実感としては、そのように感じる。

◆労使ともにマナーは必要
 私自身も、サラリーマン経験があり、当然、年次有給休暇は労働者としての権利だということは、把握していた。しかしながら、その権利を濫用していたわけではないという自負はある。たとえば、退職時には引継ぎ等もあり、自分が勤務しないと仕事が回らないことは把握していたので、最終日まで宮仕えさせていただいた。私の態度に対し、上司も感謝をしていただけていたようである。年次有給休暇は、当然の権利ではあるが、その裏には全うに勤務するという義務もある。
 年次有給休暇の件にしてもそうだが、働く人の権利関係に関する労使の見解は当然違うだろう。しかしながら、だからこそ、今まで以上に日頃の労使コミュニケーションを積極的に行うことが求められる時代になるのだろう。


パワハラと言われない部下指導の2つのポイント  15年06月28日

◆パワハラとすぐに言われる時代になってきた
 最近、ハラスメントという言葉を聞くことが多くなってきた。

 パワハラとは、ハラスメント(嫌がらせ)の一つで、職場での地位をもとに行われるものを指す 。指導する立場の人からすると、少し指導しただけで、すぐにハラスメントと言われてしまうのではないかと萎縮してしまうという相談をよく受ける。
 つまり、部下を叱るのが難しいと感じられる管理職が増えてきたようである。確かに部下を叱るのはとても難しいことである。人材育成やマネージメントの永遠の課題であるという人もいるくらいである。特に部下指導で難しいのが、管理職自身がイラッとして怒っているときである。イラッと起こっている時に部下に指導すると、かなりの確率でパワハラだといわれかねない可能性があるのである。

 昔では考えられないことなのかもしれないが、現代はそういう時代なのである。だまっていうことを聞いていたらよいというのは通じない時代になってきているのである。

◆自分自身が怒りを感じた時、パワハラだといわれずにうまく叱るためにはどうしたらよいか?
 一つのポイントとして、イラッとしたときに一度席を離れてトイレの個室等刺激の少ない空間に入るというものがある。

 これは、行動心理学的にはタイムアウトという技法で、今おかれている環境からいったん自分を切り離すことになる。つまり今現在自身が置かれている状況(刺激)からいったん自分を切り離すことで、気分を落ち着けるという技法なのである。これは臨床心理学特に行動科学の場面でも有用とされており、効果の高い技法である。

 怒りにかまけて指導してしまうと、どうしても余計なことを言いがちである。そうではなく、一旦自分自身をクールダウンし、その後冷静に指導することが、ハラスメントと言われない指導のコツになるのである。さらにこのポイントは、ハラスメントと言われないだけではなく、冷静に一度検討してから指導するため指導効果も高くなるというメリットもあるのである。

◆もう一つのパワハラと言われないポイントは?
もう一つのパワハラと言われないポイントとして、「個人攻撃の罠にはまらない」というのがある。個人攻撃の罠とは、何か問題があった時に「○○さんだからこうなった」という風に個人に原因を帰属させがちな人間の傾向である。行動科学ではこの個人攻撃の罠に嵌っているときは、解決策が出辛いことを実証している。

 例えば、
 ・○○部長が悪い   → 業績も上げている。変えられない。解決できない。
 ・○○さんが弱いから → 今度は強い人を採ろう(現実的には困難)
   と、解決策にはたどり着きません。
 一方で個人攻撃の罠ではないアプローチであると、

 ・○○部長の指示の仕方が曖昧である  → 部長に指示方法の研修を受けてもらおう
 ・○○さんは一人で悩みを抱えがちである → 相談窓口や気軽に相談できるようアドバイスが必要である。
   と、解決策に結びつくことが多いのである。

 指導の際にもこの個人攻撃の罠に陥っていないかを、先のポイントであるタイムアウトの技法を利用し、気分を落ち着けた後に検証してから指導することがとても有用である。
 あなたは○○だからではなく、あなたの○○(スキル)が○○だからと伝えられると、伝えられたほうもなにか自分を否定された、パワハラだと感じることは少なく、建設的な意見の交換ができるようになるものである。

 イラッとしたときにこそ冷静になれるタイムアウトの技法と、個人攻撃の罠に嵌らない、この2点がパワハラと言われない2つのポイントである。今日から早速試してみてほしい。
 どうしても個人では上記が実施できないと不安に感じられた場合は、臨床心理士やカウンセラーと言った専門家に相談してほしい。


ひとりの時間  15年05月28日

◆自分の調子のよい時間をいつにもっていくのか
 テニスの錦織選手の活躍はスポーツニュースに疎い自分も気になる。
 精悍なスポーツマンなのに、インタビューでのトロリとした話し方にぐっと親しみを感じてしまうのである。
 それにしても疲れるだろうに、彼はどう休み、心身を回復していくのだろうかと、親の身になって案じる。
 勝負の時に最高に調子のよいコンディションで臨むために万全の準備をしているだろう。案じるには及ばない。
 彼の最高のパフォーマンスを生み出すために、コーチやドクターなど多くの人々ががっちりサポートしているようだ。
 プロの選手だけでなく、自分の調子のよい時間をいつにもっていくのか、またはいつなのかを知っていることは毎日が勝負のビジネスパーソンのわきまえとして大変重要だ。そして自分にできない部分のサポートやアドバイスを得られる人間関係を築いていくことも重要である、と錦織選手は教えてくれる。

◆仕事のコントロール度と報酬
 会社が親の様に面倒を見てくれるような時代ではなくなり、働くもの個々の自律、コントロール能力が問われる時代だ。
 今までにも増して、時間や仕事に対する意識やスキルが働く人の生活、人生の質を変えていく。
 労働安全衛生法によるストレスチェックの件で職業性ストレス簡易調査表の評価項目を眺めてみると、仕事のコントロール度に目がいった。自分のペースややり方で仕事ができる、職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる、とある。
 ただのわがままで自分のやり方が通るわけもない。仕事のコントロール度ともう一方に報酬という物差しをあててみた。

 この報酬は金銭の対価だけではなく、お金でカウントできない評価としての名誉、称賛、感謝等も含む。簡易調査表では"周囲のサポート"項目が評価に該当するだろう。
 仕事のコントロール度と報酬の2本の物差しでマトリックスを作ってみると、両方とも限りなく高い場合、錦織選手のようなスーパースターがくる。コントロール度が高まるほど勝ち、賞金もさることながら、名声、称賛とこれもグングン高くなる上昇スパイラルに乗る。
 時間の支配者は、仕事が面白くてたまらないか、面白くなくても、面白さを発見できる人だ。一方両方とも低い領域には、時間の奴隷が位置する。 

◆ひとりの時間が心身を涵養する
 時間の奴隷から逃れる方策はあるのか。その一つはひとりになる時間を持つことだ。
 毎日、疲れきって会社から帰り、寝るだけ、という生活では将来の投資のための時間が生まれない。
 1人になる時間は、会社で"1人残り"静かに働く時になり、たまに早く帰っていくと、 "どこか悪いの?"などと言われるようなると、思考が化石化していく。なんの不具合も感じていないなら、余計なお世話だが、早く仕事を仕上げる創意・工夫、発想の転換等とは無縁になる。 
 忙しいんだから、無理なんだ、というが、将来への準備や投資には"ひとりの時間"が欠かせない。1人になり自分と向き合う。  本を読み、会社生活では出会わない人々からものの見方・考え方を広げ、自分で考えをめぐらす時間を持つ。
 毎日ほんの1ページでも、あらかじめ時間を決め、5年10年と継続することで、支配者の領域の住人となっていく。

 よい状態で働くには健康であることだ。
 1人でメンタルな部分と向き合うとともに、フィジカルとも向き合うことだ。調子のよい状態、悪い状態を把握し、漠然とした健康ではなく、コントロールできるツールを持つことは人生の財産だ。
 読書が思考の稼働域を広げるとしたら、運動ツールはフィジカルな稼働域を広げることと言える。稼働域を広げることは、本来の能力を柔軟に機能させることでもある。
 自分の体とよく向き合える点では経験から、(比較的長時間の)ウオーキングをおすすめする。体の様々な部分への感覚が開かれることで、心身のクセに気づき、本来自分がもっているよい状態へ修正する方法がわかる。(ちなみに筆者は日本ウオーキング協会の公認指導員である)
 ウオーキング以外にも、ヨガ、水泳など、自分のペースでできるものもよい。そして正しいコーチを受け、正しい努力をすることがポイントだ。そして継続すること。
 このままだと働く年数は増えるだろう。ライフデザイン、キャリアデザインも重要だが、体調を整え、前向きな姿勢で生きることが大前提だ。自分の心身の手入れ法を各自心得ておく必要がある。

 正しい手入れをした衣服は、箪笥の中に寝かせることで甦るそうだ。
 甦る、とはよい言葉だと思う。生、は字統によると、草の発芽生成のこととある。
 ひとりの時間が心身を涵養する。時に過酷かもしれないが、心身を甦らせ、次への成長を育む大切な時間なのだ。
 そしてはじめて、他人を喜ばせることや気配りが出来、感謝や楽しさという"報酬"が 高まるのである。


パワハラ、根本原因は愛情不足!?  15年04月20日

◆「典型的なパワハラ」事例
 男性社員(当時19歳)が2010年に自殺したのは上司の暴言によるパワーハラスメント(パワハラ)が原因として男性の父親が会社と当時の上司2人に対し、慰謝料など約1億1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、「典型的なパワハラ」として、同社と直属の上司に対し約7200万円の支払いを命じた。
 パワハラの根拠とされたのは、主に以下のような上司(当時20代後半)の発言のようだ。いくつか引用する。

・会社を辞めた方が皆のためになるんじゃないか
・いつまでも甘い、学生気分はさっさと捨てろ
・まず直してみれば?その腐った考え方を
・色んな意味で直す、生き返らせる
・人の指示もろくに聞けない、動けない
・注意されてもメモに残さない
・メモをノートに毎日書き写さない。書かないから忘れる
・また同じことで怒られる。これの繰り返し、毎日、毎日 ・何もしないだけ、見ているだけ
・まかせられないだろ、ウソなんかつくやつに
・辞めてしまえば?辞めたくないとか言っているだけ
・先輩が動いて自分は見ているだけ?
・そんなやつ辞めろ、死ね
・自分を変えろ

 いかがだろうか?率直に言えば、これらのことを言った覚えはないだろうか。 (死を連想させるものは問題外)
 これ以外にも、より具体的な業務の指示・指導といえる言動も見受けられる。 もしかしたら、新人を鍛える気持ちもあったのだろうと思えなくもないし、実際そのような想いで厳しい言葉を投げかかる管理監督者、上司もいるだろう。

◆なぜパワハラとなったか
 ではなぜ、この事件が「パワハラ」と認定されたのか?
 この事件でいえば、上司が言うだけでなく「居残りさせて」反省文等を書かせていたことだ。その量、入社1年足らずの間にノート2冊分にもなるという。つまり異常なまでの執拗さである。
 そこに愛はない。ここから教訓を学び、パワハラのない職場にするにはどうすればいいのか検討してみる。

◆具体的対策
 視点としては「管理監督者教育」「組織構造と就業環境整備」があるだろう。
(1)管理監督者教育の視点
 管理監督者、上司に対してパワハラの定義と実例を伝える。
 管理監督者、上司はたとえ熱血指導のつもりでも、部下の受け取り方次第でパワハラになってしまうことを注意喚起する。
 また、管理監督者同士で企業内勉強会を開催するのも有効だろう。 パワハラについては以下の項目を学ぶ必要があるだろう。定義・事例研究・熱血指導とパワハラの境界線・企業に与える金銭リスク・社会的イメージの低下によって企業が受けるダメージ・パワハラを予防するための組織構造
(2)組織構造と就業環境整備の視点
 怒ることが常態化し、怒ることそのものが目的化している管理監督者・上司はパワハラとされる可能性が高い。
 したがって、その傾向のある上司の傍らにサブリーダーとして怒りをなだめる役目の人員を配置したり、組織をチーム化して仕事を複数人で取り組ませたり(組織構造の整備)、カウンセリング窓口を設置したり(就業環境の整備)といった見直しだ。
 あるいは外部機関に相談窓口機能を請け負ってもらうことも考えられる。
 いずれにせよ、パワハラを双方向から監視し、客観的に意見できる体制を作ることだ。

 世の中には、厳しい指導をするのが社風の会社もあるだろう。いわゆる体育会系だ。
 押しの強い管理監督者・上司にとっては「近頃の新人は根性がない。仕事一つまともに 覚えようとしない。だから厳しく指導しなければならない。それがあいつらのためだ!」 なんて管理監督者・上司は多いのではないだろうか。

 周りから見ればその厳しい指導が「ちょっとやりすぎじゃないか。」と思いながらも見て見ぬふりでいることは、一見差し障りがないように見える。
 しかし、そのような就労環境で生産性が上がるとはとても思えない。
 また、その管理監督者・上司にとってもパワハラと認定されることはとても不幸なことである。被害にあっている部下については言うまでもない。


新卒採用の新入社員。活躍するかどうかの分かれ道は?  15年04月10日

◆4月1日をどう迎えるか
 毎年4月1日。たくさんの学生がフレッシュなスーツに身を包み、企業へ向かう。傍では「新鮮で若々しくていいな」と目を細めてみている方もいれば、「最近の若い子は」と感じている方もいるかもしれない。
 それでは、当の本人、つまりフレッシュなスーツに身を包んでいる、昨日まで学生だった新入社員は何を考えているのだろうか。大半は緊張した面持ちで歩いている。中には「今日から早起きしないといけない。つらい。働きたくない」と思っている新入社員もいるかもしれない。しかし、そんな学生ばかりではない。これから始まること、これから飛び込む世界に少しの期待感と大いなる緊張に包まれているというのが本音なのだ。それが、新入社員研修で新入社員と向き合うたびに常々感じることである。

 さて一方、新入社員が入社してくる日の企業の様子を見てみよう。
 もちろん企業によって違いはあるが、入社式に抜け・漏れが無いか最終確認する人事部に、特に意識をせず「年度始まり」だという事実に身を引き締める他部署。はたまた「今年の新入社員はどんな感じか」と興味本位で見る先輩。さまざまな人間が会社で待ち受ける。

◆活躍するA君と活躍し損ねたB君
 ここまでは、どの会社、どの新入社員も大差はない。ここからだ。その新入社員が「活躍できるか」「出来ないか」分かれるのは。
 ニコッと満面の笑みを作り、「おはようございます!今日からよろしくお願いします!」と元気に入ってきたA君。  すると企業の人間はこう感じる。「お!今年の新人は元気がいいねぇ!」
 一方、緊張した面持ちでそろっとドアを開け、ボソッと一言「おはようございます」。
 このB君を見て企業の人間はこう感じる。「今年の新人は元気が無いね」と。
 さて、A君とB君の人生は今後どう展開していくだろうか。

◆「新入社員研修」も必要だけれど
 コンビニエンスストアに入った時でも、企業訪問をした際でも、第一声は重要である。
 その一言でその店舗やその会社の印象が決まってしまうと言っても過言ではない。そう考えると、新入社員のA君とB君、第一声で今後の人生が決まってしまうと言っても過言ではない。万一「元気のいいA君」「おとなしいB君」とでもレッテルを貼られた場合、取り返しがつかないことになる。
 しかし、B君が大きな声で挨拶をしなかったのは、会社に入った時に静かだったので、邪魔をしてはいけないとB君なりに配慮した結果だったかもしれない。本来は笑顔であいさつを交わすことくらい難なくできるかもしれない。
 ここで強く感じることが、内定式から入社式までの時間を無駄にしてはいないだろうかということである。例えば入社式の1か月前でも1週間前でもいい。あるいは1か月に1度でもいい。会社または会議室等に招集して研修してみてはどうだろうか。研修といえば大げさだが、「挨拶練習」「笑顔の練習」「働くことの心構え」を伝えるだけでも、その後の人生は大きく変わる。
 内定者を招集するコストが気になるだろうか。しかし、考えてみてほしい。その学生が入社した後、「活躍している姿」を。決して高いコストだとは思わないのではないだろうか。
 世の企業は「新入社員研修」を実施する企業が多い。もちろんそれも重要だ。ビジネスマナーは入ってからでないと実践につながらないからだ。しかし、それよりも前に、第1歩を自信持って踏み出すために、内定時期の研修を今一度見直すべきではないだろうか。
 先ほどのA君のように言えるために。最初にうまく行った新入社員は、「ほめられることの喜び」「うまく行くことの快感」を覚える。そうすればあとは自然と飛ぶことが出来るのだ。その機会をプロデュースするということを、人事部の役割の1つに加えてもいいのではないだろうか。人材育成の場面を見て私は強く感じる。

経営理念

経営診断と経営計画策定・実行支援により企業経営を維持・発展させながら、会社で働くひとの成長と喜びを実現する

CKC way

1.クライアントと信頼関係を
 築け
2.研鑽を怠らずプロフェショ
 ナルであれ
3.誠実かつ前向きであれ